日銀が金融市場調節方針を変更、FOMCと同週に動いた両中銀の政策ベクトルを市場は再解釈中
前回のTODAY'S FOCUSで掲げた「日銀の政策変更後の波及プロセスと円相場の持続性」という注視点は、今週の市場データが一つの答えを示した。ドル円は157円37銭と前日比プラス0.04%のドル高方向で着地しており、一時156円台まで円高が進んだ前週の動きは完全に吸収された格好だ。政策変更が円高の決定打にはなりきれないという先週の市場解釈は、今週も継続している。市場は発表を受け取った後も静かに意味を問い直し続けている。
今週の最大の焦点は、日米両中央銀行が同じ週に相次いで動いたことだ。米連邦準備制度理事会は9月15日から16日にかけてFOMC会合を開催し、声明と9月会合の経済見通しを同時公表した。国内では日本銀行が9月18日の金融政策決定会合で金融市場調節方針の変更を決定し、補完当座預金制度基本要領の改正、気候変動対応オペの基本要領改正も相次いで公表した。総裁記者会見もライブ配信され、その発言内容の精査が週後半の市場参加者の宿題となった。こうした中で国内株式市場は日経平均が65,018円と前日比プラス1.38%の続伸を記録し、政策イベントをこなしながらもリスクオンの地合いを維持した。米国ではNYダウが51,863ドルと前日比マイナス0.36%とわずかに軟化したものの、NASDAQは27,244ドルと同プラス0.45%、S&P 500は7,764ドルとほぼ横ばいで、全体としては底堅さを保った。
市場が次に注視するのは、日銀の金融市場調節方針の変更と補完当座預金制度の改正が国内金利や短期市場にどの程度波及していくかという実体的な伝達経路の確認だ。加えてFOMCが公表した経済見通しが今後の米国景気指標と整合するかどうかも、次の相場の方向感を左右する焦点となっている。また、SECがトークン化された株式の取引に関するイノベーション免除令を公表したことも、デジタル資産市場の制度的な地殻変動として引き続き観察が必要な材料として浮上している。