様子見が続く日米市場、米貿易赤字の急拡大と国内金融当局の動向が焦点に浮上
前回のTODAY'S FOCUSでは、日銀の物価・経済情勢の認識と追加利上げのシグナル、そして円相場の動向を主な注視点として挙げた。今週もその構図は大きく変わらなかった。日経平均は現在値64,011円で前日比マイナス1.93%と再び重い展開となる一方、NYダウが前日比プラス0.98%の52,573ドル、NASDAQが同プラス0.96%の26,333ドル、S&P 500が同プラス0.86%の7,656ドルと米国株はそろって堅調を維持しており、日米市場の温度差は依然として鮮明だ。ドル円は1ドル153円44銭付近で前日比マイナス0.60%と円高方向に傾いており、輸出関連株の重しとなっている構図も前週から継続している。
今週の材料を振り返ると、米国では7月の貿易収支が注目を集めた。商務省のデータによれば、財・サービスの貿易赤字は7月に886億ドルへと拡大し、6月の712億ドルから大幅に悪化した。前月比の変化率はプラス24.4%に達しており、輸出の減少と輸入の増加が重なった形だ。一方、7月の製造業新規受注は前月比プラス0.9%と2カ月連続の減少から持ち直し、米製造業の底堅さも確認された。国内では日銀が8月のマネーストック・貸出動向・企業物価指数を相次いで公表したほか、増審議委員が福井で「わが国の経済・物価情勢と金融政策」と題した挨拶を行い記者会見を開催した。また日銀は台風第24号に関連し愛知県・鹿児島県に対する金融上の措置を講じており、自然災害の経済的影響も当局の視野に入っている。米連邦準備制度がコミュニティバンク向けの規制負担軽減策を打ち出したほか、SECが約1,600万ドル規模のポンジースキームに関与した人物を提訴するなど、規制・監督面での動きも目立った週となった。
市場が次に注視するのは、増審議委員の発言内容や企業物価指数の詳細が日銀の政策判断にどう影響するかという点だ。追加利上げの条件と時期を巡る市場の読み解きは続いており、円相場の水準変化が日米株価格差をさらに広げるかどうかも重要な観察ポイントとなる。また、米貿易赤字の急拡大が今後の米景気指標や通商政策の議論にどう波及するかも、引き続き焦点として意識されている。